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「探偵ガリレオ」と「予知夢」 [Books]

現在CXで放送中の月9ドラマ、「ガリレオ」。
東野圭吾さんの原作と聞いて本屋さんに立ち寄ってみたら、平積みにして置いてありました。で、ドラマは仕事の都合で毎回見ることができるとも限らないので、ちと先取りのつもりで買ってしまいました。

「探偵ガリレオ」シリーズとしては、短編集が2冊と長編が出ているらしいですね。しかも、もともとは月刊誌か何かに連載されていたものを単行本にまとめたそうで、初出はかなり古いじゃありませんか。ちっとも知りませんでした。
とりあえず、文庫本で短編集「探偵ガリレオ」と「予知夢」を買って読みましたが、ミステリーとオカルトの境界線を上手に越えた推理小説、という感想を持ちました。

原作者の東野圭吾さんは、主人公ガリレオこと湯川学のモデルとして、俳優の佐野史郎さんを思い浮かべて小説を書かれたそうです。そして、東野さん自身が理工系の大学出身ということで、化学や物理学などの専門的な話もたっぷり書かれています。
それに対比するように登場する草薙刑事は、理工系はさっぱりダメ、という典型的文系人間として描かれていますが、コンビで事件を解決する過程がなかなかおもしろいです。

ドラマでは、湯川学は福山雅治さん、草薙刑事は北村一輝さんが演じていますが、実際に湯川とコンビを組むのは新米刑事の役で登場する柴咲コウさん。原作ではこの柴咲コウさんの役の人物は出てきません。(女性の刑事は1人も登場しないのです)
今のところ、短編集の中からドラマが作られているみたいですが、この先はどういう展開になるのでしょう?ドラマも楽しみです。

探偵ガリレオ (文春文庫)

探偵ガリレオ (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 文庫

予知夢 (文春文庫)

予知夢 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫


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ずっと気になってた本…「ホームレス中学生」 [Books]

今日はいつもの通院の日だったので、午前中に行ってきました。
車で行こうと思ってたら、ダンナが車で会社に行ってしまったので、仕方なくバスで行きました。
帰る時、バスがいい時間になくてしばらく待たないといけなかったので、ふと思い立って本屋さんに行ってみました。

ずっと気になってた本があったんです。

悩んだ挙句、買ってしまいました。
「ホームレス中学生」(笑)。

バスの中で最初のほうを読んでいたのですが、すごくおもしろい…。
全部読み終わったら感想を書こうかと思います。

==========================================

ただいま16:00です。
「ホームレス中学生」、読み終わってしまいました。
いや~、ちと感動してしまいましたよ。

ホームレス中学生

ホームレス中学生

  • 作者: 麒麟・田村裕
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2007/08/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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「ダ・ヴィンチ・コード」 ~ 宗教論争になるわけだ… [Books]

映画化されて現在公開中ですが、映画を観に行く余裕がなさそうです。
そこで、前々から読みたかった原作のほうを読んでみました。
(ハードカバーを買うのはちょっとためらったので、文庫化されるのを待ってました…)

私事ですが、3月末に仕事(本業のほう)の契約が終了したあと、
持病(頚椎椎間板ヘルニア)の症状がちょっとひどかったので、
4月から1ヶ月半ほどお休みしてました。
通院・リハビリをしてやっと落ち着いてきたので、5月半ばから仕事復帰しました。
今回は片道1時間50分の遠距離通勤。(以前2時間通勤の経験があるのですが)
なので、電車の中で本を読もうと思ったわけです。

文庫化されたら、上・中・下の3冊になっていました。
のんびり読むつもりで1冊だけ買ったら、おもしろくてどんどん読んでしまい、
結局1週間もしないうちに3冊全部読んでしまっていました。

私の両親はクリスチャンなので、これは両親が読んだら激怒しそうだな~、
というのが最初の感想。とても宗教色が強い内容なのです。
私も聖書は読んだことがありますが、「ダ・ヴィンチ・コード」には
聖書を読んだことがある人には、そんなバカな、と思えるような話が書かれていて
イエス・キリストのイメージをかなり覆す内容になっています。
キリスト教を国教としている国では、上映反対の運動が起こったりしてると聞きました。

それとは別にして、レオナルド・ダ・ヴィンチを始め、著名な作家や学者が、
歴史上実在していたというある秘密結社に所属していた、という話は興味深いです。
ダ・ヴィンチの絵画には、その秘密結社の中で守られていた教えが、
あちこちに暗号のように散りばめられている、というわけです。

そして、これらとリンクする殺人事件のストーリーを、推理小説として読むとおもしろい。
映画では、どんな仕上がりなってるんだろう…、とすごく興味がありますが、
公開中に観に行くのは難しそうなので、DVD化されるのを待とうと思います。

ダ・ヴィンチ・コード(上)

ダ・ヴィンチ・コード(上)

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 文庫


ダ・ヴィンチ・コード(中)

ダ・ヴィンチ・コード(中)

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 文庫


ダ・ヴィンチ・コード(下)

ダ・ヴィンチ・コード(下)

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 文庫


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昨日、ひさびさに本屋へ。 [Books]

2月に入ってから、突然ものすごい仕事量になって、
会社を出るのが22時とか23時という状態が続き、
買い物も何もできない状態の1ヶ月を過ごしていました。
ところが、昨日、突然仕事が落ち着き始め、
「定時で上がっていいぞ」許可が。

やった~!とばかりに、いそいそと退社。
横浜駅まで戻ると、いつも会社帰りにはすでに閉店状態だったお店が
開いているではありませんか。バンザイ!
で、一目散にビーズショップを覗いたあと、本屋さんに立ち寄りました。

そこでこんな本を見つけました。

35才からの妊娠・出産・育児―元気に安心して赤ちゃんを産みたい!

35才からの妊娠・出産・育児―元気に安心して赤ちゃんを産みたい!

  • 作者: 郡山 智, 郡山 純子
  • 出版社/メーカー: ベネッセコーポレーション
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 単行本



私、実は30代後半です。
結婚して1年半ですが、まだ子供はいません。
ダンナはお義父さんの経営している会社に勤めていて、
要するに“跡取り”候補です。
ということは私にも“跡取り”となる子供を作れ、なんて言われる可能性大。
専業主婦になって子供を、というのなら不安は別にないのですが、
うちの場合は、仕事は続けないと生活は厳しいので辞めるわけにもいかず、
かといって、私がSE以外の仕事ができるかというと、それも不安。
でも、今のSEの仕事をしていたら、とてもじゃないけど出産・育児は無理。
しかも30代後半で初産なんて、高年出産の域に入ってるわけで、
要するに、子供は欲しいけど不安だらけの状態なわけです。
もう無理だと思って諦めようか、とも思っていました。

私はあちこちでテーマ別にブログをやっているので、
日記的なブログのほうにはその辺の話も書いたりしているのですが、
ブログを通じて知り合った方達の中には、
ワーキングマザーの方がたくさんいらっしゃいます。
どうやって仕事と家事・育児を両立させているんだろう、と興味シンシン。
というより、自分の不安をどうやって解消できるか考え込んだりしていました。
そんなときに、「紀子さまご懐妊」のニュースがあったりして、
最近、またまた考え込むようになってきたりしていた次第。

そこに、昨日見つけたこの本。
ちょっとためらって、結局買わなかったのですが、
今度本屋に行ったら、買って読んでみようと思っています。


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「金融腐食列島」 (3部作) [Books]

「金融腐食列島」
「呪縛~金融腐食列島Ⅱ」
「再生~続・金融腐食列島」 高杉良

最近、寝つきが悪いので、寝る前にずっと本を読むクセがまた始まりました。

女性にしては珍しい、といわれるかもしれませんが、
経済モノの小説も結構好きで読むほうです。
といっても、おもしろいと思って読んでいるのは、
「金融腐食列島」のシリーズくらいかもしれませんが。
ちなみに、「金融腐食列島」は役所広司さん主演で映画化されていますが、
原作は「呪縛~金融腐食列島Ⅱ」のほうだったようです。
映画も観ましたが、、、ちょっと胸がつまる思いになったように記憶しています。
なぜだかわからないけど。

私は、以前、金融系(損害保険)の会社員でした。
といっても、配属はシステム部門だったので、会社を退職して以降はずっと技術やサンです。
(でも結局、金融系のシステムの仕事ばかりやっているのですけど)
会社員時代に一時、本社の管理部門に配属になったことがあり、
その関係で系列の銀行やら生命保険会社の話がよく耳に入ってくることがありました。
私がその会社に入社したのが1990年、退職したのが1999年。
つまり、バブルが崩壊して金融再編が始まり、進行していた、まさにその時代に、
その業界で働いていた、ということになります。

そのせいなのか、この「金融腐食列島」には異常に興味があったんです。
で、つい昨日、「再生~続・金融腐食列島」を読み終わりました。
もちろん、「金融腐食列島」、「呪縛~金融腐食列島Ⅱ」は以前に読み終わっていたので、
続きを読みたくて読み始めたわけですが。

実際にあった銀行・証券関係のスキャンダルや事件、
大蔵省(当時)で起きたスキャンダルや事件にそっくりのストーリーが書かれていたりします。
中には実在の政治家の名前や、当時実際にあった法改正等の内容が出てきたりもしますが、
しかし、あくまで「フィクション」である、と注釈されています。
経済小説家である高杉良さんは、この作品を書くために、
資料を集めるため、あらゆる方面に取材をされたそうですが、
実際には、ある銀行(現在は合併している元D銀行)をモデルとして書いたもの
というウワサも聞きました。
ある意味、金融業界の闇の部分を描いている部分も含むため、
中には「ホントに?」と思うような、ヤバそうな話も書かれています。
そのためか、アノ銀行がモデルだな、とわかるような書き方をしたくなかった、
という話を聞いたことも。
ただ、私は、3部作全部を読んでみて、登場してくる銀行・証券・生保の話から、
あれはアノ銀行だ、あれはアノ証券会社だ、あれはアノ生保だ、
と想像がつくような部分があったりしました。
あの時代に、金融業界はどんな状態だったか、
金融業界の端っこに位置する損保業界にいても、聞こえてくる話はソコソコあったので。

もちろん、たかだか女性社員が耳にする話なんてたいした話じゃないですけどね(笑)。

でも、一緒に働いている中堅社員(いわゆるミドル)の方々とお酒を呑む機会はちょくちょくあったし、
同期の男性営業社員とお酒を呑むこともよくあったし、
そんな時に聞かされる話の中には、深刻な話もあったのは事実です。

私が「金融腐食列島」シリーズをつい読んでしまうのは、
そんな会社員時代の思い出とオーバーラップするものがあるからかもしれません。

昨年、また「金融腐食列島」の続編が発売されたようです。
また読みたくなっているのですが、ハードカバーを買うほどのファンでもないので、
文庫化を待ってから読んでみようかと思っています。


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「自分でできる対人関係療法」 ~その2 [Books]

引き続き「自分でできる対人関係療法」について書きたいと思います。

この本は3部構成になっていて、~その1 で、
第1部「あなたの人間関係をチェックしよう」は第1章~3章までについて書きました。
対人関係療法を始めるにあたって、自分の現状を把握することや
治療を始める前に前提となる事項を説明する部分でしたが、
ここで大事なキーワード「重要な他者」について書かれていました。
“その人に何かあったら自分の情緒にもっとも大きな影響を与える相手”のことです。

第2部は「それぞれへの問題への取り組み方」というタイトルで、
さまざまな実例を1章ずつに挙げて、具体的な考え方と対処法が書かれています。

第4章「大切な人を失ったとき」
 ここでは自分の大切な人と死別・離別した場合、哀しみをどう乗り越えるか、
 という点について書かれていました。
 “悲哀のプロセス”、つまり否認→絶望→脱愛着、というプロセスが大切だと書かれています。
 人は、このプロセスを経て、心の健康を取り戻し、立ち直るのだそうです。
 このプロセスをうまくたどれない場合に、対人関係で何らかの問題を抱える状態に陥ります。
 大切な人を失うとは、愛する人との死別だけでなく、
 失恋、女性の場合は流産経験などもこれに当てはまります。
 “悲哀のプロセス”を上手にたどるためには、その出来事について思い切り悲しむことと、
 悲しみの感情を人と共有する(できれば自分にとっての「重要な他者」と)が大切なのです。

第5章「相手とのズレに悩むとき」
 ここでは相手と自分の考えにズレがある場合について書かれていました。
 ここで扱われているのは、主に「重要な他者」との間のズレについてでした。
 まず、ズレがどのような種類のものであるかを見極めることが重要です。
 人は誰でも、年齢・性別・置かれている状況によって考え方は違うものなので、
 ズレがあること自体は問題ではないし、それをお互いが認識・理解・譲り合いができていれば、
 お互いの考え方や持っている期待(役割期待)などにズレがあっても何も問題ないわけです。
 問題なのは、ズレについて話し合っても平行線の議論に終わってしまう(再交渉)、
 あるいは、お互いの主張を飲み込んでガマンしてしまう(行きづまり)、 といった状態。
 最悪の状態は、客観的に見て解決不可能なほどズレが大きい(離別)、という場合です。
 これが長く続くと心と身体に異変が起きてきます。
 そこで、自分の抱えている「相手とのズレ」の正体は何か、それはどの状態にあるかを、
 冷静に考えてみることが必要です。そのうえで解決方法を考えてみます。
 解決方法の選択肢としては、「相手への期待を見直す」、「コミュニケーションの方法を変える」、
 というものがあります。
 ただ、「離別」、つまり、お互いのズレが客観的に見て解決不可能な状態である場合、
 前章でかかれていた“悲哀のプロセス”を経てその相手とは別れる必要がある場合もある、
 とも書かれていました。
 思い込みがズレを広げてしまう場合もあります。
 これは相手が「重要な他者」ではない場合に多いようですが、この場合は
 ズレは「相手への期待を見直す」、「コミュニケーションの方法を変える」だけで
 ずいぶん解決できるようです。
 「ズレの上手な解決法は、恐れずにズレに直面すること」と書かれていました!

第6章「変化にうまく対応できないとき」
 人生にはさまざまな変化があります。
 例えば、入学、転校、卒業、就職、結婚、妊娠・出産、異動、昇進、転勤、転職、退職、
 それ以外にも身近に、転居(引越し)、病気、子供の独立、などなど、たくさんあります。
 こういった変化には必ず、自分の社会的役割、あるいは家庭内での役割の変化が伴います。
 だから、このような変化は大なり小なりストレスのもととなるわけです。
 この本の中には、このような「変化」のストレス数値も書かれていました。
 心が健康だと、変化の最初の頃は違和感・不安があっても、徐々に慣れ始め
 落ち着いてくるようになりますが、うまく乗り越えられないと心を病んでしまいます。
 このような場合、この役割の変化を2つに分けてみます。
 変化の前の状態を「古い役割」、変化の後の役割を「新しい役割」と考えます。
 そして、「古い役割」と「新しい役割」のプラス面とマイナス面を考えてみるのです。
 気をつけなければいけないのは、どちらも理想化したり非現実的に捉えるのではなく、
 できるだけ現実的に、正しく冷静に、そして広い視野から考えること。
 それができたら、今度は「古い役割」のマイナス面と「新しい役割」のプラス面に
 目を向けてみるのです。すると、「新しい役割」への抵抗感が薄れてくるというわけです。
 「新しい役割」への意欲が少しずつでも湧いてきたら、
 今度はあまり高望みをするのではなく、できることから少しずつ、
 目標を少し低めに設定して「新しい役割」を果たしていくようにしていく、
 これが慣れていくのにイチバンよい方法のようです。
 この本には、「原則的に“役割の変化は乗り越えにくい”」ものであると書かれていました。
 それを理解した上で、焦らずゆっくり冷静に考えつつ、やってみようかな、
 くらいの気持ちで取り組むのがよいようです。

第7章「誰ともうまくいかないとき」
 この章では、主に対人関係を築くことができない、対人関係を維持することができない、
 あるいは引きこもってしまっている、いわゆる「対人関係の欠如」について書かれていました。
 このような場合は、短期的に治療するのは難しく、医療的なサポートも必要です。
 また、このような人の場合は最初に述べた「重要な他者」に該当する人がいないことも多いので、
 本人が「自分には“対人関係の欠如”という問題がある」ということに気づいて、
 問題解決に取り組もうとするところまでを目標にする、と書かれていました。
 ここでは、
 ●まず感情を表現してみる
 ●自分のコミュニケーションパターンをチェックする
 ●うまくいった対人関係を探してみる
 ●治療関係を利用する(これは治療者が「重要な他者」の代わりになるという意味です)
 というプロセスで治療を進めていくようです。
 また、若者(最近は若者に限りませんが)の引きこもりの場合には、
 「重要な他者」である両親とのコミュニケーションに焦点を当てると短期的に改善する
 というケースも挙げられていました。コミュニケーション方法として手紙を使って成功した例でした。
 ただ、本人が「自分には“重要な他者”はいない」と言っていても、
 実際にはその人のことを心配してくれる関係の人がいることが多いとも書かれていました。
 自分は孤独だ、と決め付ける前に、ホントにそうかな?と考えてみるのもいいかもしれません。

第8章「困難に直面したとき」
 ここまでこの本に書かれていたことを実践してみたけどどうもうまくいかない、
 そんなときに見直すとよい点について書かれていました。
 この章は私にとってはなるほど、と思うことがかなりたくさんあったので、
 続きとして ~その3に書きますね。


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「自分でできる対人関係療法」 ~その1 [Books]

「自分でできる対人関係療法」 水島広子

「ここ2ヶ月くらいの間に、心理学系の本を立て続けに4冊読んだので、
忘れないうちに、とりあえずタイトルだけ」と書いたのが5/20でした。
いい加減にレビュー・感想書かなきゃ、と思い、今日はこれを書きます。

この本に書かれている「対人関係療法」とは、短期対人関係療法という特別なもので、
アメリカで開発され、IPT(Interpersonal Psycho-therapy)と呼ばれている
精神療法の1つです。
もともとは、うつ病の治療法として開発されたそうですが、
摂食障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの治療や、
普通に生活している中での人間関係改善にも有効だと知られているそうです。
日本ではまだ認知度はそれほど高くないのですが、
うつ病などの別の治療法である「認知療法」に次いで効果がある治療法として、
認められてきているようです。
「対人関係療法」と「認知療法」の違いは、
「認知療法」が“ものの感じ方・捉え方”に焦点をあてて治療するのに対し、
「対人関係療法」は文字通り“対人関係”に焦点をあてて治療する、という点です。

対人関係とひとくちに言っても、両親・兄弟姉妹、配偶者や子供、恋人、親友、
職場の同僚・上司、幼少時代から現在に至るまでに付き合いのある友人など、
自分と関わる他者を挙げていくとキリがありません。
そこで、短期的治療で効果を挙げることを目的にするために、
対人関係の中でもテーマを絞ることが重要、と書かれていました。
そこで登場するキーワードが「重要な他者」です。

この本は3部構成になっていました。
第1部「あなたの人間関係をチェックしよう」は第1章~3章まで。
対人関係療法を始めるにあたって、自分の現状を把握することや
治療を始める前に前提となる事項を説明する部分になっています。

第1章は「対人関係がストレスを高める」というタイトルです。
対人関係のよしあしを左右する重要な要素は「自尊心」、つまり、
自分を大切にし自分の存在を肯定する気持ちのあり方だと書かれています。
自尊心の低い状態にあると、自分自身を肯定できないため、
他人に自分を認めてもらうとか、他人と素直に接することが難しくなります。
そのため、対人関係のトラブルを抱えることが多くなってしまうというわけです。
そして、これが原因でストレスを抱え、その結果、対人関係をさらにゆがめてしまう、
という悪循環に陥りやすいということです。
それでは、誰とでもうまくやっていこうとしたら、どうでしょう?
たぶん、どんなに優秀で有能な人でも難しいし、それどころか心が疲れてしまうでしょうね。
そこで「重要な他者」との関係を良くする、ということが重要になってくるのです。

対人関係には重要度があり、その例が書かれていました。
例えば、
●未婚の方の場合(成人していて経済的に自立している場合)
1.両親・恋人・親友
2.友人・親戚など
3.職業上の人間関係など
●既婚の方の場合
1.配偶者(場合により両親もありえますが、迷わず配偶者と考えるべき、と書かれていました)
2.と3.は未婚の方と同じ
●未成年の場合
1.両親(場合により兄弟姉妹を含むこともあると思われます)
2.友人・親戚など
3.学校・アルバイト先での人間関係など
といったところでしょうか。
この1番目に該当するのが、「重要な他者」ということになります。
つまり、その人に何かあったら自分の情緒にもっとも大きな影響を与える相手、
これが「重要な他者」なのだということです。

第2章では、自分の「重要な他者」とは誰かを見極めること、
その人との関係はどうかチェックしてみること、
その人との関係において何がストレスとなっているのかを分析すること、
などについて、具体的なチェック項目シートが用意されていました。
さらに重要なこととして、問題点の分析ができたら、
自分が次はどの順序でどの治療をすべきかの優先順位を決めておくこと、が勧められていました。
これは、自分自身の自尊心や「うつ病」などの病気に関することに目がいきすぎて、
対人関係を改善することが後回しになることを防ぐためです。

第3章は、「コミュニケーション上手になろう」というタイトル。
この章のサブタイトルだけを並べてみると、
●できるだけ「言葉」で伝える
●間接的な言葉は誤解のもと
●勝手に納得しない
●相手はわかってるはずだと思い込まない
●むずかしいことは手紙で伝える
とありました。
以前ここに紹介した「上手な怒り方」に通じるものがありました。

このあと第2部「それぞれの問題への取り組み方」に続きますが、
第2部では具体的な事例を挙げて、それにどのように対処していくかが書かれています。

この本、私にとっては“目からウロコ”の本だったため、レビューも長くなりそうです。
というわけで、続きは ~その2 としてまた書きますね。


自分でできる対人関係療法


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「砦なき者」 [Books]

「砦なき者」 野沢尚

以前ここに、野沢尚さんの「破線のマリス」を読んだと書きましたが、
先日本屋さんに行って文庫本を買おうと見ていたら、
この「砦なき者」が目に入りました。
帯を見たら、「破線のマリス」の続編だとか。
これは読みたい、と思って買ってしまいました。
今、まだ初めのほうしか読んでいませんが、
読み終わったら、「破線のマリス」と一緒に感想を書こうと思っています。

ちなみにこの本を買ったとき、
一緒にあと4冊も買っちゃったんですが、
月曜から遠距離通勤になるので、読む時間はたっぷりありそうです。


砦なき者


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「上手な怒り方」 [Books]

「がまんしてたらソンばかり 上手な怒り方」 佐藤綾子

この本のプロローグのタイトルはこうでした。
「上手な怒りで幸せをつかもう-下手な怒りは生きるエネルギーを消耗させる」

うーん、考えちゃいますね。
怒りはマイナスの感情と思いがちです。
確かに、怒りは他人を傷つけるだけでなく、
自分自身も傷つけるには違いないけれど、
それだけではないようです。

怒りの種類は大きく5つに分類されていました。
“正当な怒り”は不当な仕打ちに対してする怒り
“感じ方の怒り”は自尊心やプライド、平安な気分が害されたときの怒り
“正義感の怒り”は社会の秩序を守るための怒り
“深い哀しみの怒り”を通して、哀しみから立ち直る方法を知る
だから、怒りは上手に表現することが大事なのだというわけです。

ヒトの怒りの表現方法と性格はとても関係が深く、
爆発させる人もいれば黙り込む人もいるけれど、
怒りを引き起こす考え方と、怒りをコントロールする方法を、
自分の性格や傾向と照らし合わせて考えるのは大切なことだと思いました。

怒りのコントロール方法が5つ挙げられていました。
私がなるほどと思ったのは
“本当の怒りの原因をつきとめよう-見立て法”

自分の場合の「怒りを引き起こす考え方、怒りを感じる理由」は
モノの見方を変えれば“勘違い”だったり“思い込み”だったりしないかな?
怒っているからこそ、なぜ私は怒っているのか?と分析してみるのは
怒りをコントロールするのに役立つのかもしれません。
あるいは、他人の怒りに触れたとき、
冷静に分析してみたら実は自分に対する怒りではなかった、
とわかったりして、自分が落ち込む必要はなくなるかもしれません。

そして、怒りのパフォーマンス方法が10通り挙げられていました。
ここで私がなるほどと思ったのは次の点。
“全体否定を部分訂正に変えてみよう-アサーション法”
“「私を主語に」-ユー・メッセージからアイ・メッセージへ”
“物腰も表情も柔らかく-「ダブル・バインド」を避ける”

アサーション・トレーニングというのがあります。
だからあなたはダメなのよ、だから私は怒ってるのよ!と言うのは簡単ですが、
言われたほうは、自分の存在そのものを否定された気分になり、
相手が自分の何に対して怒っているのかを理解できなくなりますよね。
だから、あなたのココをこうしてくれると私は助かる(あるいはうれしい)と言えば、
相手は、なんだそういうことか、と受け入れてくれやすくなる、というわけ。
この言い方がアサーションで、それをトレーニングするという治療法があるんです。
(これは、うつ状態やうつ病などで自己主張の仕方がわからない、
といった人に対する治療法としても使われているという意味です)

ダブル・バインドとは、二重拘束という心理学用語です。
ある言葉を言うとき、その言葉の文字通りの意味とか内容が、
言うときの表情や声の調子によっては反対の意味になってしまうことがあります。
そうすると、言われた人はどっちの意味にとって行動していいのかわからなくなる、
これはすごくよくない、というわけです。
だから、自分が何かをきちんと人に伝えたいときは、
言葉に言外の意味なんか持たせてはいけない、ってことですなんですね。

この本、かなり有益な本でした。

さて、みなさんは怒りをどうやってコントロールし、表現していますか?


上手な怒り方


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「アンダーグラウンド」 [Books]

「アンダーグラウンド」 村上春樹

村上春樹さんといえば、「ノルウェイの森」など
有名な小説がたくさんありますが、
「アンダーグラウンド」は彼の作品としては異色の存在。

何の話かご存知の方なら、今頃読んだの?と
思われるかもしれません。
1995年3月20日に起きた“地下鉄サリン事件”はご存知のことでしょう。
たくさんの死傷者を出した、日本犯罪史上最悪のテロともいわれた事件。
この本は、あの事件で被害に遭われた大勢の方を、
彼がひとりひとり訪ねたり連絡を取りながら
あの日、どこにいた人がどんな事態に直面し、その後どうなったのか、
事実を集めて書き上げた証言集なのです。
膨大な量の資料と証言。
文庫本になった厚さは4cm近くになっています。

これも少し前に読んだのですが、また眠れぬ夜の友になっています。
感想は後日。


アンダーグラウンド


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